妊娠しやすい食事

毎日の食事は妊娠しやすい体作りの基本となる部分です。妊娠に関係なく、自分の体の健康には気を使いたいですよね。では、どういった食事(栄養)を摂ると健康でいられるのか、一緒に考えてみましょう。

 

「これを食べたら絶対に妊娠する!」という食事はない?

まず、食事で一番大切なことは「バランス」です。ある特定のものばかりを食べて妊娠するとしても、栄養が偏り体に負担がかかってしまうでしょう。これでは、本来の妊娠しやすい体作りとは言えません。

バランスの良い食事私もよく「何を食べたら妊娠しやすいんだろう?」と思っていました。ただ実際のところ、期待しているような「これを食べたら妊娠できる!」というようなものはなく、結局は不足している栄養を補えるような食事をとることが大切だという結論になりました。

それもそのはず、人によって不妊の原因は違いますし、体の状態も違うわけですから当然と言えば当然です。しかし、だからといって対処法がないわけではありません。

 

サプリメントに頼り過ぎないように注意

近年の食生活の変化により、コンビニのお弁当や惣菜、インスタント食品といった手軽に食べられるものが多くなりました。一方、栄養が偏りがちになった影響もあってか、栄養食品やサプリメントが多数登場してきています。自分の食事では栄養が偏っていることを認識して、そういったサプリメントにお世話になっている人も多いのではないでしょうか。

ただここで注意しておきたいのは、サプリメントはあくまでも「健康をサポート」するためのものですので、そればっかりに頼ってやみくもに摂取すればいいというものではありません。

まずは自分の体の状態をしっかりと把握し、毎日の食事を見直すことで妊娠しやすい体作りを目指していきましょう。その上で必要に応じてサプリメント等で不足する栄養分を補っていければいいのではないでしょうか。

それでは次に、健康なら体作りはもちろん、妊娠を目的とした場合の食事の具体的なポイントを紹介します。まず最初は「血液をサラサラにする食材」です。

 

血液がサラサラだと妊娠しやすい?

「血液の流れと妊娠しやすい体作りが関係あるの?」と思う人がいるかもしれませんが、実は密接に関係しています。

血液の流れが悪いと子宮や卵巣に栄養を送ることができないですし、血栓もできやすくなってしまいます。このような状態になると着床期に子宮内膜が厚くならずに、着床できなくなる原因になる可能性があります。

これらのために食事を変えることですぐ妊娠できるというものではありませんが、血液の流れは必要な栄養を体中に運ぶ意味でも非常に大切ですのでぜひ注意しておきたいポイントです。

 

血液をサラサラにする効果がある食材

では、具体的にどのような食材が血液をサラサラにする効果があるのか、代表的なものを見てみましょう。

魚特に青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は赤血球や血小板に作用して血液の流れを良くしてくれる。特にEPAには血栓を溶かし血管を拡張する働きがあるため、脳梗塞や心筋梗塞など血栓症の予防と改善にも効果があります。

 

海藻類

海藻類ぬめり成分であるアルギン酸が血糖値の上昇を防ぎ、コレステロール値を低下させる作用があります。豊富に含まれる繊維成分には、血液が固まるのを防ぐ働き以外にも免疫力を高める働きがあり、抗がん作用も期待できます。血液をサラサラに保つ事で脳血栓や心筋梗塞の予防にも効果的です。

 

酢酢酸やクエン酸が赤血球の膜をしなやかにしてくれます。血液をサラサラにする上で特に注目したいのは黒酢です。黒酢には善玉コレステロールを維持しつつ悪玉コレステロールだけを減らす働きがあるだけでなく、血中中性脂肪も減らす働きがあります。ダイエット効果があるのも有名な話なので、妊娠を考えている人には一石二鳥な食材と言えそうです。

 

きのこ

きのこβ-グルカンという食物繊維がコレステロールや血糖を減少させ、免疫力を活性化させます。また強い抗がん作用があることも分かっています。β-グルカンは健康食品で有名なアガリスクなどに多く含まれています。しいたけの旨み成分であるグルタミン酸は脳に必要不可欠な栄養素であり、脳の老化防止に効果があると言われています。

 

ねぎ類

ねぎ類長ねぎや玉ねぎ、にんにくなどに含まれるアリシンには、血小板の凝集を抑えて血栓ができるのを予防する働きがあります。硫化アリルという特有の刺激成分が玉ねぎには含まれているのですが、これが玉ねぎを切ったときに目がしみる原因になっています。この硫化アリルには非常に強い血栓予防効果がありますので、血液のサラサラ化に役立ちます。

 

野菜

野菜βカロチンなどの抗酸化作用により白血球同士がくっつくのを予防して血液をサラサラにしてくれます。またトマトに多く含まれることで有名なリコピンですが、リコピンには強い抗酸化作用があり、老化やガンの原因とされる活性酸素を抑える働きをしてくれます。つまりリコピンは活性酸素を除くことでコレステロールの酸化を防ぎ、血液をサラサラにして血管の詰まりを防いでくれるというわけです。

 

果物

果物果物の中ではみかんやリンゴにも期待できますが、注目したいのはアボカド。アボカドの脂質はほとんどが不飽和脂肪酸で、血中の善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールを減らす不飽和脂肪酸と血液をサラサラにする不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。ただし少々カロリーが高いので、食べ過ぎには注意が必要です。

 

さて、続いては「体を温める食べ物」についてです。特に夏には冷たい食べ物を多く摂りがちになります。体が冷えると血行が悪くなってしまいます。妊娠しやすい体作りのためにはできるだけ体が温まるものを食べるように心がけましょう。

 

体を温める食べ物って?

体を冷やさないように、体を温める食事をすることは、妊娠しやすい体作りのためには大切なことです。体を温める食べ物といっても、もちろん単に温度が熱い食べ物っていう意味ではありません。食べ物を食べるとアドレナリンが分泌されて体温が上昇し、食べ物が消化されるときに発生する熱でも体温が上がります。

食材の性質によって「体が温まる」「体が冷える」ものがありますから、その代表的な例を知っておくことで、妊娠しやすい体作りに向けた日々の料理の参考にしてみて下さい。

 

体を冷やす食べ物

それではまず、体を冷やす食べ物の代表的なものを見てみましょう。

体を冷やす食べ物

これらはそのまま食べると体を冷やす食材ということになりますが、加熱したり塩を加えたりと調理することによって冷やす効果を薄れさせることができますから、料理に上手に組み込んでいければそこまで厳密に意識することはありません。

例えば体を冷やす野菜は食べないほうがいいというわけでは決してありません。体を冷やす野菜を食べたいときは、煮物にしたり炒め物やスープにしたり、火を通して温野菜にして食べるのがおすすめですよ。

 

体を温める食べ物

体を冷やす食べ物があれば、温める食べ物もあります。

体を温める食べ物

このように、体を温めるものは、「塩・根菜類・寒冷地に育つもの・かたく水分の少ないもの」という傾向があります。

体を温める食材も、さらに調理して物理的に温かくして食べることが体を温めるには最も効果的と言えます。根菜たっぷりの温かい具だくさんスープなんかは非常に効果的な料理例と言えるでしょう。

 

「秋茄子は嫁に食わすな」

「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざをご存知でしょうか。語源の由来にはいくつか解釈があるようですが、その中のひとつに「秋茄子は体を冷やすから、これから赤ちゃんを産む体にはよくない」と解釈されているものがあります。

この言葉にしっかり表されているとおり、やはり妊娠しやすい体作りのためには、体が冷える食べ物はできるだけ控えた方がよいということが分かると思います。

 

ところで「活性酸素」という言葉をご存知でしょうか。これは人間なら誰しも体内にあるものなのですが、活性酸素が増えすぎると体の老化に影響を与えると言われています。もちろん不妊にも関わってくる話ですので、十分に注意しておきたいポイントです。

それでは、不妊の原因にもなりかねない「活性酸素」についてチェックしておきましょう。

 

活性酸素が与える影響

活性酸素は、通常呼吸して取り入れた酸素の約2%が体内で変わってできるとされていますが、これが過剰に増えすぎると体に悪影響を及ぼすと指摘されています。

妊娠に向けた弊害としては、精子は卵子の質を下げてしまう点が挙げられます。逆に言えば、活性酸素をうまく除去できれば、精子と卵子の質を上げて妊娠しやすい体になれるということです。

そのためには、抗酸化食品(抗酸化物質)を摂取することで活性酸素の過剰な増加を防ぐことが大切になってきます。具体的にどのようなものを食べればいいのか、またどのような点に注意すればいいのか見てみましょう。

<活性酸素>

体内の細胞を酸化させることで、老化やガン・生活習慣病の原因となるもの。

<抗酸化物質>

私たちの細胞が活性酸素によって酸化するのを防ぐ物質のこと。

 

活性酸素を除去する「抗酸化物質」を摂ろう

私たちの体を活性酸素から守ってくれる抗酸化物質と、それらが含まれる食品例を具体的に見てみましょう。

 

1.酵素

体内にもともとありますが、歳をとるとともに減っていってしまいます。

たんぱく質

病気に対する抵抗力をつける上でもとても重要な栄養素。バランス良く摂取したいがカロリーが高いことが多いので注意を。
例)肉、魚、卵、大豆、チーズ

亜鉛

酸化されやすい細胞を守る働きがある。加工食品に体内から亜鉛を排出したり吸収を阻害する食品添加物を含むものがあるため意識して摂取を。
例)牡蠣、牛肉、お米

血管壁を強くしたり骨の形成を助けたり、体内の数多くの酵素の正常な働きをサポート。銅が不足すると貧血が起こる原因にもなります。
例)牡蠣、レバー、大豆

鉄は半分以上が赤血球中のヘモグロビンの成分となり、各細胞へ酸素を運ぶ働きを担う。各細胞はこの酸素補給によりエネルギーが生成される。
例)レバー、しじみ、ひじき、小松菜

マンガン

主な働きは抗酸化酵素の構成要素の一部となり酸化を防ぐこと。骨の形成を促進することが有名ですが、疲労やイライラを緩和する効果も。
例)カキ、アサリ、海藻、栗、ごま、たけのこ

セレン

活性酸素を抑制する抗酸化酵素の合成に必要なミネラル。亜鉛と一緒にとるとより効果的です。
例)いわしやしらす等の魚介類、穀類

 

2.ビタミン

もともと体内に存在しないので、自ら摂取する必要があります。

β-カロチン

油に溶ける性質のため、油で炒めたりごま和えにすると吸収されやすくなる。
例)緑黄色野菜、さつまいも、うに

ビタミンC

血液中などの水分の多い場所で強い抗酸化力を持つ。
例)淡色野菜やレモン、いちごなどの果物

ビタミンE

別名「若返りのビタミン」。酸化されやすい不飽和脂肪酸でできている細胞膜に存在し、その酸化を防ぐ。
例)うなぎ、アーモンド、かぼちゃ、アボカド、植物油

 

3.植物栄養素

アントシアニン

抗酸化物質ポリフェノールの一種で、視神経の働きを支えているロドプシンという色素の再合成を促して、疲れ眼を改善し、視力を向上させる効果がある。
例)赤ワイン、ブルーベリー、黒ごま、黒豆

リコピン

リコピンの抗酸化作用はβ-力□チンの約2倍。そのため、ガンや動脈硬化の予防が非常に期待できる。トマトに最も多く含まれる成分。
例)トマト、スイカ

アスタキサンチン

極めて強い抗酸化力を持つ物質。その抗酸化力はビタミンEの500倍、β-カロチンと比べても40倍以上あると言われている。
例)鮭、いくら、エビ、カニ

ルテイン

目に多く存在する抗酸化栄養素で、紫外線によって目の中に発生する活性酸素を中和する働きがある。
例)ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃ、キャベツ、ケール

カテキン

「茶カテキン」というように、緑茶に多く含まれているのは有名な話。緑茶をよく飲む地域ほどガンによる死亡率が低いというデータも。
例)緑茶、赤ワイン

ゴマリグナン

体内に吸収された後、活性酸素のうち約70%が存在するとされる肝臓の細胞にまっすぐ届き、抗酸化力を発揮してくれることが特徴。
例)ごま、ごま油

ケルセチン

ケルセチンを含む食品の摂取量が多いほど、(心疾患の原因になる活性酸素が除去されるため)心疾患の発症率が低くなるというデータがある程効果的。
例)玉ねぎ、りんご、ほうれん草、パセリ

カカオマスポリフェノール

動脈硬化の予防やピロリ菌の撃退など、様々な健康効果が期待できる。
例)ココア、チョコレート

イソフラボン

体内でつくられる女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用を持ち骨の溶解を抑える働きがある。バストアップにも効果的と言われている。
例)納豆、豆乳、豆腐、味噌

 

活性酸素を増やさないように注意!

活性酸素は過剰に増えすぎると体に害があることが分かっています。活性酸素を増やしてしまう下記のポイントに注意して、上手に除去していくよう日頃から心がけましょう。

活性酸素を増やす要因