不正出血の原因

不正出血は通常の生理と区別がつきにくいケースもあり、なかなか意識されている方が少ないようです。不正出血は重大な病気が起きている可能性があり、放置しておくことは非常に危険であることを知っておきましょう。

 

不正出血、正しく理解していますか?

不正出血とは「生理時以外に性器から出血すること」です。生理痛や生理不順と同じくらい多くの女性が悩んでいると言われます。出血量はその時の原因に次第で変わり、おりものにうっすらと血が混じる程度のものから、ナプキンが1時間と持たないほどの量の場合もあります。

ただし、出血量と問題の程度は比例しません。出血が少量だからといって安心できるとは限らないのです。大変な病気の可能性だってありますから、いつもと様子が違う場合は気を付ける必要があります。

他にも注意すべき点があります。

生理は基本的に毎月きますから、順調に生理がきている方はほとんど何も心配していない場合がほとんどだと思います。しかし、いつも生理があるからといって安心しきっていてはいけません。「生理による出血と思っていたけど、実は不正出血だった」という可能性もゼロではないからです。

 

「まさか自分が不正出血なんてことは…」その考えは危険です!

「出血=生理」とばかり考えていては、いざ不正出血が起こったときの対応が遅れてしまいます。一時的な体調不良でホルモンバランスが崩れたというだけならまだいい方ですが、万が一それが重大な病気による不正出血であった場合は目も当てられません。少しでも普段と比較しておかしな点を感じたなら、その出血が生理なのか不正出血なのか、早目に専門医に診察してもらうのがいいでしょう。

「確かにちょっと出血の様子がおかしいけど…」と感じてはいるものの、なかなか病院に行く決心がつかない人も多いのではないかと思います。そんな人は、「不正出血の種類」「不正出血の原因」を読んでいただき、自分に思い当たる節がないか確認してみて下さい。

 

不正出血の主な原因となるもの

不正出血が起こる原因はいくつか考えられます。特に心配する程の出血ではないものから、重大な病気による不正出血までありますが、基本的には何か問題がないか疑ってみるようにしましょう。

不正出血の原因として、主に以下が考えられます。

  • 妊娠
  • 子宮外妊娠や流産
  • 子宮筋腫やポリープ
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 異物や腟裂傷などの外傷
  • 子宮や腟の炎症
  • 処女膜の裂傷

上記のとおり、妊娠に関係した不正出血というのもあります。

ただやはり不正出血の原因として一番心配なのは、器質性出血の中で悪性とされる「子宮ガン」でしょう。子宮ガンは発生する部位により「子宮頸ガン」と「子宮体ガン」に分けられます。

 

注意!若年層でも発症する「子宮頸ガン」

子宮頸ガンは子宮の入り口、つまり子宮へ異物が入るのを防ぐ働きをする場所にできるガンです。子宮頸がんの原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)による感染であることが最近の研究で分かってきています。HPVの感染は性行為によって発生し、それ以外の感染は極めて稀です。

子宮頸ガンは若年化の傾向にあり、20代だけでなく10代にもみられることがめずらしくなくなりました。子宮頸ガンの初期は症状がありませんが、病気が進むと不正出血やにおいの強いおりものが出るようになり、下腹部や腰に痛みが出てきます。

 

若年層にはあまりみられない「子宮体ガン」

子宮体ガンは子宮の内部にできるガンで、子宮内膜に近い部分にできることから、子宮内膜ガンとも呼ばれています。子宮体ガンになる原因ですが、子宮体ガンの患者に「未婚」「未妊」「ホルモン剤を服用している方」が多いことが以前から知られており、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌のバランスが崩れて起こるとされます。

生理が定期的にある更年期まではほとんど子宮体ガンの心配はなく、ホルモンバランスが崩れてくる閉経前の更年期から閉経10年後までの時期に発症するケースがほとんどで、特に50代に多く見られるようです。子宮体ガンの初期には不正出血がありますので、やはり注意が必要です。

以前は子宮頸ガンの割合が高かったのですが、最近の生活習慣の変化からか子宮体ガンになる方が多くなっていますが、いずれも早期発見でほぼ100%治る病気です。発見が遅れると治療が難しくなりますので、不正出血があり心配な方は早目に受診されることが望ましいでしょう。

 

不正出血は妊娠している可能性もある

不正出血が見られる場合、妊娠している可能性があります。妊娠といっても、そういったケースのほとんどが流産、もしくは子宮外妊娠だと考えられます。意外とそのことに気づかない場合が多く、「ちょっと調子が悪いのかな?」といった軽い気持ちで見過ごしてしまうと大変なことになります。

妊娠したいとお考えの方は、やはり普段から基礎体温を測り、体調の変化(妊娠の有無)を確認できるようにしておくことが大切です。

 

不正出血の種類

不正出血は、その性質から「器質性出血」と「機能性出血」に分けられます。それぞれの特徴を把握しておくことで、いざという時の早期対処につながりますので、ぜひチェックしておきましょう。

 

◆器質性出血(良性のケース)

性器に生じる悪性腫瘍などの、器質的疾患が原因で起こる出血、つまり簡単に言うと「生殖器に病気がある場合に起こる出血」ということになります。卵巣機能が活発になるにつれ「性成熟期」から「更年期」、さらに「閉経期」へと向かいますが、それとともに増えていく傾向にあります。

器質性出血は良性と悪性に区分されます。

良性のケースは、子宮筋腫、子宮膣部びらん、子宮頸管ポリープ、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ等が該当します。良性のものは治療をすれば基本的に完治しますが、場合によっては不妊の原因になるので、できるだけ治療をしておくことがいいでしょう。

 

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮にできる腫瘍のなかで最も発生頻度の高い良性の腫瘍で、発生する場所は様々で、できる場所によってそれぞれ名称も異なる。主な症状としては、「過多月経」「生理痛」「不妊」があるが、無症状のケースもある。

 

子宮膣部びらん

子宮頸部の細胞が膣の方に出て、びらん(ただれ)の様に見えるものです。頸管の細胞は出血しやすい為、不正出血の原因となる。子宮腟部びらんがあると子宮頸管炎などの感染症が起こりやすくなるので注意が必要。特に性成熟期の女性に多く見られる。

 

子宮頸管ポリープ

子宮頸管の粘膜に良性の腫瘍(ポリープ)ができて、それが子宮口から垂れ下がってくる病気。ポリープの組織は柔らかく、わずかな刺激でも傷ついて出血しやすい。セックスだけでなく、激しい運動をするとことで出血することも。

 

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜の組織が本来あるべきところではないところに発生し、そこで増殖と剥離を繰り返してしまう病気のこと。子宮以外の場所では、剥離しても血液の排出先がないため、生理のたびにその部分にたまってしまい、様々な症状を引き起こす。とても激しい生理痛が伴うのも特徴。

 

子宮内膜ポリープ

子宮内膜の過剰増殖により形成されるもので、卵胞ホルモンのエストロゲンの影響でできることが多い病気。増殖した子宮内膜の一部がポリープ状になり、大きくなると子宮口からでてくることも。受精卵が子宮内膜にたどり着いても、子宮内膜ポリープが邪魔をすることで着床障害の原因となることもある。

 

◆器質性出血(悪性のケース)

子宮頸ガン、子宮体ガン、膣ガン、卵管ガン、外陰ガン、子宮肉腫等が該当します。不正出血がこのような大きな病気のサインとなっている場合があるので十分注意が必要です。

 

◆機能性出血

機能性出血とは、女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌のバランスが崩れて起こる出血のことで、卵巣の機能が未熟で安定していない「思春期」や、卵巣の機能が衰え始める「更年期」に起こりやすいのが特徴です。器質的原因がないのに出血する場合は機能性出血であると考えていいでしょう。

機能性出血の原因は、黄体ホルモンや卵胞刺激ホルモンなど、排卵に関与する様々なホルモンが異常に分泌して排卵障害が生じるために起こることがほとんどです。一時的なホルモンバランスの崩れから起こるので、出血量は少量のケースが多くなります。

過度のストレスや不規則な生活が続くとホルモンバランスが崩れ、このような不正出血につながることが多くなりますので注意しましょう。