不妊の原因

不妊の原因は様々ですが、「不妊の原因=女性」と考えるのは大きな間違いです。不妊の原因となりうるのは女性も男性も一緒です。実際に不妊になる原因を女性・男性ともに見てみましょう。また、自分の不妊原因を考える前に、妊娠を阻害する不妊に関する基礎知識として、まずは簡単なポイントをおさえておきましょう。

 

不妊の原因は女性にあるとは限らない

不妊の原因と聞くと、どうしても女性に何か問題があると考えてしまいがちです。しかし、実際はそんなことはありません。

実際に、受精や着床は女性の体内で行われますからそのように考えてしまうのも分かる気がしますが、実際に不妊の原因となるケースは女性・男性ともにほぼ同じ割合という状況なのです。

不妊になる原因の男女割合

まずこのことをしっかりと認識し、不妊の原因を特定するには夫婦で協力して取り組むことが大切であることを知っておきましょう。

 

女性の不妊原因

女性が不妊の原因となるケースでは、「受精→着床」までのどのステップに問題があるかによって、大きく以下の4パターンに分けて考えることができます。

 

卵管因子

女性の不妊原因で最も多いとされるケース。卵管が炎症を起こしたり周りと癒着していると卵子や精子が正常に運ばれなくなるため受精しにくくなる。不妊原因で多く見られる子宮内膜症やクラミジアもこのケースにあたる。

 

排卵因子

卵子の発育に問題があり、定期的な排卵がされていないケース。排卵を促すホルモン不足や、卵巣そのものに原因がある場合がある。卵巣は加齢とともに機能が低下するので、高齢出産の場合はこのケースの確率が高まる傾向にある。

 

子宮因子

子宮内に問題があり、着床が正常に行われないケース。子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどが着床の妨げとなる場合が多い。子宮内膜は黄体ホルモンによって受精卵を迎え入れる環境を整えるが、それがうまくいかずに着床できない場合も。

 

頚管因子

排卵期に分泌される頚管粘液が十分ではなく、精子が子宮内に届きにくくなるため不妊となるケース。頚管粘液は精子の運動を助けてくれますが、頚管粘液自体に問題がある場合もある。

 

男性の不妊原因

男性が不妊原因となるケースは、精子が正常に生成されないことによる原因が最も割合が高くなっており、実に半数以上が精子の生成異常と言われています。他には勃起障害(ED)も男性不妊の原因として有名です。

近年特に男性の精子量の減少が問題視されており、男性不妊の割合が高まっているという調査結果もありますので、十分注意が必要です。

 

造精機能障害

精子が精巣で十分につくられないケース。精子の量が少ないと、卵子まで届く精子の数も必然的に減るため不妊の原因となる。また精子の運動率が低い場合も同様で、原因としては前立腺や精巣が細菌に感染している場合が多い。

 

精子輸送路障害

精子自体に問題があるわけではなく、精子が正常に精管を通ることができないケース。精子の通路となる精管が狭くなっていたり閉じたりしていると、精液中の精子量が不足してしまうためやはり不妊の原因となる。

 

勃起障害

男性器が全く勃起しない、もしくは勃起しても持続力がないケース。EDとも呼ばれる。原因はストレスや心理的な要因によるものが多い。勃起はするが射精に問題がある(精液が十分に射精されない)射精障害のケースもある。

 

不妊の原因が分からないケースもある?

このように、女性・男性ともに不妊の原因となるケースがあるわけですが、実際に検査を受けてもその原因が特定できない場合も(わずかながら)あるのが実態のようです。

医学的な原因が分からないととても不安になるものですが、体に問題があるわけではないと考え、妊娠しやすいと言われることにチャレンジしたり、あらためて夫婦生活を見直してみることで妊娠に至るケースも多いとのことです。

万が一自分たちの不妊原因が特定できなかった場合でも、決して後ろ向きになることなく、夫婦でできる限りの努力をすることが大切です。

 

妊娠を阻害する”不妊の定義”って?

いわゆる「不妊」とはどういう状態のことを指すのでしょうか。自分の不妊原因を考える前に、妊娠を阻害する不妊に関する基礎知識として、まずは簡単なポイントをおさえておきましょう。

まず”不妊の定義”ですが、一般的に「妊娠を望み、普通の性生活を営んでいるのに、2年経っても妊娠しない状態」が不妊とされています。

これは、避妊しなければ1年以内に80%、2年以内に約90%の方が妊娠しているという客観的事実から言われていることで、残りの約10%の方は不妊ということになります。

最近では「1年以内」に妊娠しない場合を不妊とする説もあるようですが、いずれにせよ1年経っても妊娠できない場合はなんらかのケアが必要になると考えておいた方がいいかもしれません。

 

不妊治療を受けている夫婦はどれくらいいるの?

では実際に、日本ではどれくらいの夫婦が不妊とされ、実際に不妊治療を受けているのでしょうか。すでに説明したとおり、(15~44歳までの生殖年齢の)夫婦の約10%が不妊とされており、その数は140万組以上と言われています。

しかし驚いたことに、この中で不妊治療を受けている夫婦はわずか40万組程度と、半分にも満たないというデータがでています。見方を変えれば全国で40万組もの夫婦が不妊治療を受けていることになりますから、その数は決して少ないとは言えません。

 

不妊治療の受診率が低い理由

不妊治療を受けている夫婦は多いことが分かりましたが、不妊夫婦に対する割合で考えるとやはり受診率は低いのが現状です。それでは、なぜ受診率が低いのでしょうか。その原因として、主に以下のようなことが挙げられます。

  • 不妊医療にかかる経済的な負担
  • 病院に通院する時間的制約
  • 治療で受ける精神的ストレス
  • 治療による副作用の心配
  • 生活スタイルの変化による妊娠願望の低下
  • 不妊についての知識不足

他にも、普段から健康的な生活をしていれば、

  • 「自分だけはいつでも子供を作ることが出来る」
  • 「まさか自分が不妊であるはずがない」

というように思い込んでしまっている可能性もあります。

(かくいう私もそうでしたので、気持ちはよく分かります…。)

しかし不妊というのは、(健康状態も大切ですが)様々な原因が考えられることを忘れないで欲しいと思います。そして、その原因から目をそらすのではなく、しっかり現実と向き合う勇気を持ってもらいたいと思います。

 

不妊治療で必ず妊娠できる?

いろいろ大変そうだけど、不妊治療を受けたらどれくらいの確率で妊娠できるのか、非常に気になるところだと思います。

この点については学会等が発表した統計データがなく正確な数値が分からないのですが、おおよそ50%程度の確率で妊娠にいたっているようです。そのほどんどが「一般不妊治療」と呼ばれる(セックスの)タイミング指導や人工授精によるものだそうです。

このように、不妊治療を受けたからといって確実に妊娠できるわけではないことを知っておきましょう。